ふたりぼっちになって・・・

かあちゃんもきにろママも命の森にいったけどうさ太かあちゃんはそんな様子はありませんでした
みんなそれはうさ太かあちゃんは灰色さんなんだろうといいました「魔法も使えるしからだも同じくらいの大きさだものね」
こんちゃんもわたしもそんな気がしていました

でも・・・ある朝のことです
「あっ!!」大きな声をだしてうさ太かあちゃんが飛び起きました
「どうしたの?かあちゃん」こんちゃんもわたしもその声にびっくりして起きてしまいました
「ああ・・・二人とも・・・おらもいよいよ命の森に行く日がきたよ」
「えっ?」聞き間違えかと思いました
でもうさ太かあちゃんのからだはゆらゆらしていたので本当なんだと感じました
うさ太かあちゃんはわたしたちに言いました「いいねお別れじゃないのはわかってるよね」
「はい・・・」わたしたいの声は小さく震えてしまいました
「こんちゃん・・・ゆう太のことを守ってね・・・ゆう太はこんちゃんを信じてがんばるんだよ」
わたしにはうさ太かあちゃんの言ってることが理解できませんでしたがこんちゃんは「はいしっかりお勉強して
絶対に成功させます」と力強くこたえました
「ゆう太かあちゃんはとても幸せだったよありがとう」そう言ってわたしを抱きしめました・・・わたしのほうが
大きくなってしまっていたのですけどね
そしてこんちゃんのことも抱きしめ「さあついておいで」と言うとフワリと白い煙になりました
小さな小さな煙でしたね
そして命の森にいくとかあちゃんの木ときにろママの木の間に少し小さな木がありそこにすいこまれていきました
両側の木がサワサワと優しい音をたてました
こんちゃんとわたしは木に抱き付きうさ太かあちゃんを感じ取りホッとしました
かあちゃんの木ときにろママの木にも挨拶をしました

ああ・・・とうとうふたりぼっちになってしまいました
仲間はいたけれどさみしさがおしよせてきました
ふたりぼっちの部屋は広くてさむざむじく身のおきどころがないように落ち着きません
こんちゃんはしばらくだまってなにか考えているようでした
「ねえゆう太・・・ゆう太も少し感じ始めたよね・・・なにか時の流れにひずみがではじめてるのを」
「・・・そういえばなにかすこしへ・・ん・・・かもしれない」
うさ太かあちゃんが命の森に行ってからなにかがずれたみたいで・・・それはさみしさだけでなく・・・
「うんうさ太かあちゃんが灰色族として生き続ければとくに問題はなかったんだよ でも命の森にいったということはうさ太かあちゃんの
存在をちゃんとしなければお月様の数合わせがくるってしまうからね」

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