二人は兄弟

きにろが言いました「うさ太は月に行くのは不安じゃないの?¥・・・うさ太にはかあちゃんがいるか・・・」わたしとはちがうね」
「きにろさんは不安なの?」「・・・わたしは月にはなにもないからね・・・記憶も思い出も知り合いもいない」
「だけどおらとは兄弟じゃないの」「えっ?」きにろはうさ太の言葉に驚いた顔をしました
「きにろさんよおらは同じ赤ちゃんもちから生まれたんだよ だから兄弟だよ ひとりじゃないよ」
その言葉にきにろはニコニコとして「兄弟か~ウフフ」とうれしそうでした
うさ太は「きにろさんにもかあちゃんがいるよ」といいそうになりました すると(時の流れは流れるままに)と
心の中に聞こえてきました 「うん」うさ太はうなすくと言葉をのみこみました
このごろうさ太はいろんなことがみえてきていたのです でも・・・時の流れは流れるままにしましょう
やがてわかるときがきますからね

「さて・・・きにろさんそろそろ帰りますよ」運転手のことばにきにろはパンを口の中につっこみました
「アハハそんなにいそがなくても・・・残りは家に持って帰りゆっくりたべればいいですよ」
うさ太も笑いました (きにろさんってかわいいね)

「それでは・・・」運転手はうさ太をはげますように見ました

「はい」うさ太もしっかりと返事をしました
二人は帰って行きました バスの走る音が聞こえました
「アウウ~~」ゆう太が目をさましました
「ウフフそういうわけだったんだね」うさ太はゆう太がすぐ眠ってしまうわけがわかりました
「ほらゆう太・・・これがクリームだよ この味をしっかり覚えておくんだよ きっとやくにたつからね」
クリームパンのクリームをほんの少しなめさせました
ゆうたはぺろぺろとなめました
チョコレートパンのチョコレート メロンパンのカリカリ部分 ゆう太はその味を記憶しました
これも時の流れですね やがていつかゆう太はこの味を思いだして・・・

それからきにろは毎晩ほうきに乗って高く飛んだり風の吹く夜もヨロヨロしないように飛ぶ練習をしたりと
がんばりました
うさ太はゆう太にしっかりおもちを食べさせました「ああちゃん」ゆう太はうさ太を呼ぶようになりました
からだも少し大きくなりしっかりしてきました
そしていよいよその日がやってくるのです・・・うまくお月さまに行けるのでしょうか

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