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魔女の気がかり

魔女はバスの窓からうさ太の家がある方向を見ていました

うさ太の家はバリアで囲ってあるので他の人には見えないのですが 魔女にはみえました・・・

「うさ太はかあちゃんになって元気を取り戻したようだけど・・・いつかまた別れの日がやってくるんだよな~かあちゃんに会える喜びとゆう太よ別れなければならない悲しみ かわいそうだなあ・・・なんとかゆう太と一緒に月に行ける方法はないものだろうか」

魔女は明け方眠ったりしないで運転手に会って相談してみようとおもいました

夕ご飯はうさ太にもらったドーナツです これもまたおいしい味です ミルクのかわりに魔女シチューを飲みました

「不思議だね ミルクと同じ味だなんて・・・でも以前は違う味がしたように思うけど・・・」魔女はしらなかったけど運転手がおもちをいれていたんですよね 運転手もうさ太のように不思議な力を持っているようです

夜明け前運転手がやってきました

「おや魔女さん今日は起きているんですね」

「やあ・・・顔を見るのは久しぶりだね」

「おやおやエプロン姿もなかなかですね~」

「ハハハ・・・うさ太のかあちゃんのなんだよ ポケットにお財布がはいっているありがたいものさ」

「そうですか外に出ればお金が欲しくなりますものね・・・あまり無駄使いをしないようにしてくださいね」

魔女はうんうんとうなづきながら「実はね相談があるんだよ」

魔女はうさ太とゆう太の二人で月に行く方法はないものかと相談しました

運転手は腕をくみ「ウ~~ム」とうなりました

「まあそのことはかんがえてみるのもいいね・・・その前に長耳族のことも話さなければね これはうさ太にも話したほうがいいだろうな しかしうさ太もかあちゃんになったんだね~わたしはその瞬間をこの水晶玉で見たんだよ 魔女さんにも見せようとしたんだけど起きなかったからね 残念だったね~アハハ」運転手はおかしそうに笑いました

魔女は「チッ」と舌うちをし運転手をにらみました

あらら・・・なんとしたことでしょうね

これからはしっかりしなければ「うさ太脱出計画」なんてできませんよ 魔女さん!!


もうひとつワクワクが・・・

「うさ太はどうやってお金を稼いでいるの?封筒はりでかい?」魔女は恥じをしのんで聞きました 「お金を稼ぐってなに?」うさ太は反対に聞きました「うさ太はいろんなものを買っているだろ?それってお金がなければだめじゃないか」 「おらはエプロンのポケットにあるお財布のお金を使っているよ かあちゃんもそうしていたよ」

魔女はうさ太がポケットから出した財布を見ました

「いくらお金をもっているんだい?」魔女は少しお金が欲しかったので恥ずかしそうにしながら聞きました

「たぶんなにも入ってないと思うけど・・・」うさ太は財布を取り出し開けてみました「ほらねからっぽだよ」

「エッそれじゃこまるじゃないか」「何か欲しいときはそれを考えながら開けると買ってもいいものならちゃんとお金があるんだよ 買っては」いけないものにはお金が出てこないよ」

魔女はがっかりしました「わたしは少しお金をもらいたかったんだよ わたしはお金を持ってないんだよ もちろん財布もないしね」「そうか・・・ちょっと待ってて」うさ太はそういうと棚の奥に手を伸ばし白いエプロンを出しました

「これはかあちゃんのエプロンだよ ちょっとつけてみて」

うさ太がエプロンを差し出すと魔女は「かあちゃんのエプロンなのに・・・わたしなんかが・・・」「いいよ エプロンをしてポケットに手をいれると・・・たぶんお財布が・・・」

うさ太は自信がなさそうにいいました

魔女はエプロンをつけポケットに恐る恐る手をいれました

オッ~~~~なんと魔女が財布を取り出しましたよ

「やっぱりかあちゃんの財布だ」うさ太はニコニコしました

「・・・そうだね・・・バスのお金ってかんがえてよ」うさ太が言うと魔女はうなずいて宙を見つめました

「お財布を開けてみて」うさ太がいうと魔女はお財布を開けてみました「あるよ お金がはいっているよ」「それは帰りのバスに乗る時払うと」いいよ 今度はほかのことを考えて開けてみて」魔女は考えました そして開けてみました「からっぽだよ」「それは買えないってことだよ 高すぎるか買ってはいけないものだよ」「そうか・・・」魔女はちょっとがっかりしました 実は掃除機って考えてみたのです

「きにろさんそのエプロンを使えばいいよ」「でもこれはかあちゃんの・・・」魔女はお財布が欲しかったけど大事なエプロンだと思うと申し訳ないt思ってしまいました

「平気だよ きにろさんが使ってくれるんだもの・・・かあちゃんだってどんなにおらが世話になったかわかっているだろうしね」うさ太はさみしいときカゲのかあちゃんを魔法で出してもらったことを思いました

「・・・申し訳ないけど・・・つかわしてもらうよ・・・ほんとに助かるよ お金がなくて困っていたからね」「うん使ってね」うさ太は魔女のエプロン姿がおかしくて笑いをこらえていました 魔女はそうとも知らずエプロンをうれしそうにさわっていました

魔女はほんとうにうれしかったのです 財布だけでなくエプロンまで手に入れたからです

魔女のへたな魔法よりうさ太のまわりには魔法以上の不思議なものがあるんですね~~

魔女は自分の名前を書いた黄色い長靴をはいて白いエプロンをしてバスに乗って帰って行きました

「またきてね~~」うさ太はゆう太を抱き窓から手をふっていました

「かあちゃん・・・」うさ太は涙ぐみました ゆう太がパタパタと手足を動かし「アウ・・アウ・・・」と言うと「そうだね おらはもうかあちゃんなんだよね ごめんごめんかあちゃんはもう泣かないよ」

うさ太 魔女新しい日々がはじまったのですね 幸せでありますように みなさんも願ってくださいね

 


魔女はワクワク

昼食を食べ終わるとうさ太はお買い物袋から青い長靴を取り出し「そうそう長靴にゆう太の名前を書かなくてわね」と指でスーッとなぞりました

「ヘェ~それがゆう太の名前なのかい?」魔女は不思議そうに見ました「そうだよ・・・きにろさんは文字をしらないの?」

そう言われて「誰も教えてくれないしね・・・」と魔女はちょっと寂しそうにこたえました

「それならおらが教えてあげるね」うさ太はそういうと魔女の右手をとり自分の右手をあわせました

しばらくすると「あれ?なんだろう・・・なにかからだの中にはいってきたよ」魔女はもぞもぞしました「それが文字だよ・・・おらもかあちゃんからこうやって教えてもらったよ」

そして名前の書いた青い長靴を玄関にあるうさ太の白い長靴のそばに並べておきました「きにろさんも自分の名前をかいたらいいよね おらの名前じゃおかしいものね」

魔女は黄色い長靴を手にとり「これはうさ太の名前がかいてあるんだね・・・わたしには読めないよ」「そんなときは右手でなぞるといいよ」魔女は文字の上に手をおいてみました

「オウオウなるほどこれはうさ太って書いてあるねぇ」

「左手でそっとこすってみて」うさ太に言われ魔女は文字をこすってみました「おや?消えちゃった」「そうしたら右手できにろって考えながらなぞってみて」

魔女はそうしましたがなにもかけませんでした「もっとしっかり・・・心のことばだよ」

「なるほど」魔女は心の言葉で「きにろ」と言いました

「わ~~っこれがきにろか~~」魔女は書かれた文字を見つめました「今度はなにも思わずなぞって」うさ太に言われそっと文字をなぞると・・・魔女にも読めました「きにろ」

「ねっ簡単でしょ?これからはそうすれば文字を読んだり書いて利できるよ・・・でも左手は使わないでね 文字が消えちゃうからね」

魔女は文字をおぼえたので心がワクワクしました

ただこれは・・・・

外で見かける文字とは違っています

「これはこの星の文字ではないよね・・・町で使っている文字は読めないね」魔女は残念そうに言いました

「心配ないよ・・・なぞれるものはなぞればわかるしできないときは文字を心で見つめるんだよ そうすればわかるから」

「心で見つめるか・・・」魔女はうなづきました

そして長靴のはいっていた袋の文字を見つめました

「シューズストア」そして右手でなぞると「シューズストア」なるほどというように頭をふり魔女は少しうれしそうでした

せっかく外を歩けるようになってもなにも買い物ができないうえになんだかわけのわからないことばかりだったからです

「きにろさんは同じ仲間なのにどうして文字を読めなかったのかなぁ」うさ太は不思議そうに言いました

「なにしろ頭を打ったらしく自分のことなのに思い出せないことがあるんだよ」魔女は頭の後ろの傷跡を見せました

うさ太は「なるほど・・・」と言い傷跡をそっとさすりました

「おやおや」魔女は傷跡が消えていくのを感じました

そして今更ながらうさ太が大きくなったと思いました

魔女とそんなに変わらなくなっていたのです

「うさ太は傷の治し方も知ってるんだね」「うんかあちゃんがそうしておらの傷をなおしていたから同じようにしてみたんだよ」「わたしより魔法が使えるね」

これではどちらが魔女だかわかりませんね~~~

そこで魔女はうさ太の力を借りることを思いつきました


魔女の初体験

魔女は布団の上でパタパタしている白いものをみました「???」魔女がなんだろうと思っているとうさ太はその白いものをそっと抱き上げ魔女のそばにきました

「ほら」うさ太の腕の中でパタパタ手足を動かして魔女を見つめました「かあちゃん!!」魔女がそういうと「フフフッかあちゃんはおらだよ この子は赤ちゃんゆう太だよ かあちゃんにそっくりだよね おらも最初かあちゃんって思ってしまったよ」「・・・ゆう太?・・・」魔女はその名前になんだか聞き覚えありましたが思い出せませんでした

「今朝青い箱の中から白い煙がでてきておらの腕の中で赤ちゃんになったんだよ」

魔女はその様子を見逃したことを残念に思いました

やがてゆう太はまたクゥクゥと眠りだしました

うさ太は布団の上にそっとおくとまたパタパタしたのでトントンと優しくたたくと眠りはじめました

 

うさ太は魔女のところにもどってきて「さあさあもうお昼だよおなかがすいたでしょ?さっきドーナツとミルクを買ってきたから一緒に食べようよ」お皿とコップをもってきてドーナツをのせミルクをそそぎ魔女にすすめました

魔女はまたもやビックリ眼になりました「さあ椅子にすわって食べようよ」ふたりはすわりましたが魔女は白いミルクを怖そうに見つめ「わたしは白いものを食べるt死んでしまうんだよ たぶんドーナツは大丈夫だと思うけど・・・」「アハハそんなことないよ おらもかあちゃんもなんともなかったからきにろさんも心配ないよ」「でもわたしは魔女なんだよ」「魔女だってどうってことないよ」なんとうさ太のどうどうとした物言いでしょう かあちゃんになったうさ太は態度もとてもしっかりしてきました あのベソベソ泣いてばかりいたうさ太と大違いです 魔女はその言葉で思い切ってミルクを一口飲んでみました

アッ・・・魔女はコロリと死んで・・・いやいやそんなことはありませんから安心してね

「オ~~~これは・・・」ミルクの味はなんとあの真黒なシチューと同じでした

「ドーナツはあらとかあちゃんが好きなのなんだよ お店の人気のドーナツもかったからお家に持って帰って夕ご飯に食べてね」魔女はドーナツもそっと持ち怖々口にいれました

「これはなんと・・・おいしい~~これでもし死んでしまったとしてもかまわないよ」モグモグ口に頬張りゴクゴクミルクを飲みニコニコ笑みをうかべました

魔女の初体験ですね・・・今晩死んでしまったとしても幸せな思いで死ぬでしょう・・・まあ、そんなことはありませんからご安心を


うさ太の家に・・・

うさ太はのんびりしていられません 少しでも早く帰らなければならないのです

アンポンタンの魔女に説明していては遅くなってしまいます

「魔女・・きにろさんちょっと待っててね」うさ太はドーナツ屋に飛び込み間もなく袋を持って飛び出してきた

「さあ早く早く」魔女はうさ太にせかされてバスに乗り込みました 「フワァ~~バスだ・・・」魔女は動きだしたバスの中でビックリ眼になっていました「あれ?きにろさんはドリームバスに乗ったことあつんでしょ?」「いやいやバスに乗るのは初めてだよ わたしが乗るのはボロほうきだけだよ」魔女はそう言いながら電気屋で見た充電式のタテ型掃除機を思いうかべました「あれならスピードが出ていいだろうなあ・・・うさ太に買ってもらおうかなあ・・・月まで行けるって言えば買ってくれたりして でも高そうだしうさ太だってそんなにお金を持っていないだろうな・・・」

「さあさあ降りるよ」うさ太の声で魔女は我に返りバタバタとうさ太の後に続きバスを降りました

うさ太の家にドアから入るのは初めてです いつも窓からでしたからね

うさ太も初めてのお客さんです「さあどうぞ・・・アッアッ長靴はは脱いでね」ドスドス入り込む魔女に笑いながら言いました「ごめんごめん・・・わたしの家ではそのままだからついうっかり」魔女は恥ずかしそうに頭をかきました

「ほ~~ら見てよ これが今朝おきた出来事だよ」うさたは奥の部屋を指さしました