お話の部屋一覧

もう一つの出会い

バスを降りるとうさ太はいそいでお店に行き青い小さい長靴を買いました

「そうだ タオルも買って行こう おらが使ったのじゃかわいそうだよね 新しいフワフワのタオルでなきゃね」うさ太はかあちゃんがエプロンを買ったお店にタオルが売っていたのを覚えていました

大急ぎでタオルも買いパタパタと早足で歩いているととてもいいにおいがしてきました

「あっドーナツだ・・・そういえばかあちゃんとよく食べたっけ おいしかったよな~~」

ふと立ち止まっていると「うさ太じゃないか」と後ろから聞いたことのあるような声がしました

いくら聞いたことがあるといってもうさ太には知り合いはいません びっくりしてふりむくと・・・

「だれ?」うさ太は白い長い耳の黄色い肌の青い目をした人を目にしました

「わたしだよ わ・た・し」おかしそうに笑いながらこたえました

「ま・魔女さん?」「そうそう魔女だよ・・・って魔女って呼ばれるのは困るよね わたしにもちゃんと名前があるんだよ き・に・ろ・・・ってね」

「きにろ・・・さん きにろさんって同じなの?」

もちろんうさ太は同族かと聞いたのです

だって・・・魔女はそんなこと言ったことがなかったからです

「そうだよ同じなんだよ わたしだってうさ太たちを見つけたときはびっくりだったよ・・・ドリームバスの運転手がいるんだけどあいつも長耳族であのときはひっくりかえるほど驚いたよ」

「え~~~運転手だんもって じゃ~パン屋さんも・・・」

「パン屋さんも?」「あれ?魔女じゃなくてきにろさんは運転手さんはパン屋さんって知らないの?」

「いや~しらなかったね~・・・いやいやまったく知らないことだらけだよ・・・ところでうさ太はドーナツを買いにきたのかい」魔女は自分も一つ買ってもらおうと聞きました なにしろ外はうろつくことはできてもお金を持ってなにのでよだれをたらしているだけですからね

「えっ違うよ・・・もしかしてきにろさんは今朝のこともしらないのでは?」

「今朝のことって?」

ああ まったくまぬけな魔女は今朝も眠っていてうさ太に起きたすごいことを見逃していたのです

ア・ン・ポ・ン・タ・ン!!


新しい出会い

朝になりました

うさ太は夜が明けない前にお仕事の箱を部屋に入れようとドアをあけました

「あれれ・・・」うさ太は箱の上にいつものおもちの小さな箱と一緒に青い小さな箱が乗っているのに気が付きました「なんだろう・・・」そう思いつつもそれらを中にいれました

テーブルの上におもちの箱と並べて青い箱も置きました

「あけても大丈夫だよね かあちゃん」うさ太はそばにかあちゃんがいるかのように声をかけました

もちろん返事はないのですがね

うさ太はそっとふたをあけました

あらら~~~なんだか白い煙がでてきましたよ

うさ太は老人になってしまいました・・・なんて言うのは浦島太郎のお話 ですよね

煙はうさ太の胸元に集まってきてなんだか形を作り始めました うさ太はあわてて手を差し伸べました

白い形はやがてうさ太の手の中に白い長い耳の丸いしっぽをつけた小さな赤ちゃんになりました

「エッこれって赤ちゃんだよね」そういうと赤ちゃんは目をあけうさ太を見つめました

「かあちゃん!!」そうです・・・かあちゃんそっくりの赤い目をしていました

かあちゃんを小さくしたとうなそっくりの赤ちゃんだったのです

「ああ・・・なんてかわいいんだろう」すると赤ちゃんは手足をパタパタさせて喜びニコニコ笑いました

「おや?赤ちゃんは手になにかにぎっているよ」

うさ太は赤ちゃんの手ににぎられているものをそっととりました

れはそ薄く延ばしたおもちです 広げると何か書かれています

うさ太はかあちゃんに文字を教えてもらっていたので不思議な文字でしたが読むことができました

 

{赤ちゃんの名前はゆう太です うさ太の赤ちゃんです 大事に育ててください かあちゃんにしてもらったようにすればなにも心配ありませんよ これからうさ太がしなければいけないことを書きます

いつものとうに洗濯掃除が終わったら買い物に行ってください かあちゃんに白い長靴を買ってもらったお店で青い小さな長靴を買ってください

ゆう太の名前の文字を指でさわって記憶させ長靴を買ってきたら指でなぞってゆう太の名前をかいてください これは絶対に忘れないでください

赤ちゃんはうさ太のお布団に寝かせておけば大丈夫です 決して外には連れていかないようにね 長靴が捌けるまではいけませんよ

うさ太はかあちゃんに初めて抱かれたことを覚えているでしょう 小さなおもちを食べたこともね

ゆう太にも食べさせてください

このお手紙はおもちですから小さく丸めて食べさせてね 明日からはうさ太のおもちの横に小さなおもちがはいっているからこれをたべさせてください

うさ太は赤ちゃん・・・ゆう太に小さなおもちを食べさせました しばらく抱いていると眠りましたそってお布団に寝かせるとうさ太は赤ちゃんだったころのことを思い出しました

「かあちゃんにしてもらったようにおらもゆう太を育てよう フフフほんとにかあちゃんを小さくしたみたいだね」

うさ太は大急ぎで洗濯掃除をすませ白いエプロンをしてポケットのお財布を確かめお買い物に行こうとしました

「あっゆう太が目をさましちゃった」

うさ太はそっとゆう太を抱き上げしばらくゆすっているとまた静かに眠りました

「急いで行ってこよう」

白い長靴をはいて買い物に行くのは初めてです

「おら・・・かあちゃんになったんだ・・・おらがかあちゃんだなんて・・・なんだかへんな気持ちだなぁ」

うさ太はバスに乗りかあちゃんが長靴を買ってくれたお店にむかいました


魔女のその後

運転手は魔女の横にすわり話始めようとしながら帽子をぬぎました

ありゃ~~丸めてあった白い長い耳が飛び出しました

「ワワワ~~~」魔女はびっくりして椅子ごとひっくりかえりました

「魔女さん魔女さん大丈夫ですか」運転手は魔女のびっくりぶりにびっくり・・・まさか耳くらいでこんなになるなんて・・・とあわてました

魔女はひっくりかえったままです

「あれれ・・・」運転手は気絶した魔女をベッドに運び「魔女さんしっかいしてくださいよ・・こんなことで驚くなんて魔女らしくないですよ」

「ウ~~~ンウ~~~ン」どうやら死んではいないようですね~~

なかなか目を覚まさないので運転手は「やれやれこれじゃ今日は話ができないな~~もうすっかり日がのぼってしまったよ わたしも昼間の仕事があるしね・・・魔女さんまた今度にしましょうね」

運転手は帰ってしまいました

しばらくして・・・魔女は気が付きましたがしばらく何が起きたかわからなくてぼんやりしていました「オウオウ・・・長靴長靴・・・」魔女は自分の足にしっかり黄色い長靴があるのを見てホッとしました 肝心な運転手のことえお思い出したのはだいぶ時間がたってからでした(アンポンですね~)

「いや~~びっくりしたね なさか運転手が長耳族だなんて わたしとうさ太親子だけかと思っていたよ そういえばなにか話してくれるようなことを言っていたけど・・・長耳のことだったのかな?」

そんなことよりこの長靴のおかげで昼間も外に出られるということのほうが気になりました

外はもう日が当たっています

魔女には苦手なおひさまが待っています それでも大丈夫なんだろうか 魔女は不安でたまりませんでした

そっとドアをあけてみました 一歩足を出してみました 体を全部外にだしました

まぶしくもないし体も日ざしでピリピリしませんでした ポツリポツリ歩いてみました

明るくてなにもかも輝いているようで魔女は楽しくてたまりません

人がやってきます・・・魔女はビクリとなって固まってしまいました

でもなにごともないように通り過ぎていきました

「ああ・・・怖かった・・・ドウナルカト思ったよどうやら本当に魔法の長靴なんだ」

それからの魔女は夜のお仕事はそこそこに昼間歩き回ることに夢中でした

運転手が来る頃はグウグウ寝ている始末

これじゃ運転手の話がきけないじゃないか・・・


がんばるうさ太

本当にひとりになってしまったうさ太はお掃除洗濯をし・・・もう公園にいくこともなく買い物にも行くことなくただお仕事の封筒はりをし食べるののはおもちだけでした

心の中でかあちゃんに話しかけながらさみしさをまぎらわしていました でももう涙はながしませんでした

白い長靴をはくのはお仕事の出し入れのときだけです

 

そんな日々をおくっていたうさ太にある朝お仕事を家の中に入れておもちの箱をあけてびっくりしました

大きなおもちがはいっていたのです「わぁ~大きいおもちだ これってかあちゃんが食べていたのとおんなじだ・・・ってことはお月様に行ける日が近づいたってことだよね」うさ太はうれしくなりました

それからしばらくたったある夜です

「今日のお仕事も終わったし・・・おふろにもはいったし・・・ああ今日はお月様がみえるな~~」うさ太はいつものようにお布団を敷きました うさ太はあの日からずっとかあちゃんのお布団も敷いていました

「かあちゃん今日も一日おわったよ・・・」ちょっと悲しくなりそうであわててお布団にもぐりこみました

「アレレ~~」うさ太はびっくりしました なんとお布団から足が飛び出したのです「おら大きくなったんだ 大きなおもちを食べるようになったからだね」

うさ太はニコニコ顔になって「かあちゃんのお布団にねよ~~っと」うれしそうにもぐりこみました

ちょうどいい大きさで足もとびでません

かあちゃんのお布団で寝られるよろこびとかあちゃんと同じになったよろこび「きっともうじきお月様に行けるんだ」うさ太は幸せな気持ちになりました

かあちゃんにつつまれるように眠りについたうさ太・・・

翌朝・・・すごいことがおきました・・・こんなことってありですか~~~

 


魔女と運転手

魔女が浮かれて踊っているところにドリームバスの運転手が入ってきました

手には一晩中働いてどす黒いものをいっぱいいれた袋を持っていました

「おやおや」棚の空きびんに袋の中の黒いものを入れながら

「あれあれ・・・」長靴に気づくと笑いをこらえるように下を向きました 空きびんがどれもいっぱいになると残りはシチューの鍋び放り込みいつものように魔女の目をぬすんで白いおもちも鍋にいれました

・・・いつものように白いおもちも???・・・

「魔女さんどこかにお出かけですか」カップにシチューをいれて魔女に手渡しながら聞きました

「出かける?・・・そんなことはできないさ 今日はいいお天気で日ざしが強いだろうし・・・わたしのこの姿では無理ってもんだよ」長い耳をクルクル動かし椅子にすわるとシチューを飲み始めました

「だけど魔女さんはうさ太の長靴をはいているじゃないですか

」「う・ううさ太の長靴?いやいや・・確かにそうだけどなんでわかるんだ?」「アハハうさ太の名前がかいてあるんですよ まあちょっと見には模様にしか見えないけど・・・」

「・・・これは・・・もrったんだよ・・・盗んだりしてないよ」魔女はあわてて言いました

「盗んだなんて・・・そんなこと思いませんよ」

でも運転手は・・・これはきっとだまって持ってきたんだろうな・・・と思いました

「魔女さんその長靴には魔法がかかっているんですよ」

「魔法がかかっている?」魔女は足元の長靴を見つめました

「そうですよ だからうさ太たちは外に出ることができたんです この星の人と同じ姿に見えるんです どんなふうに見えているのかはわかりませんけど違和感なくいられるんですよ」

「ありゃそうだったのか・・・おかしいな~って思っていたんだよ」

「うさ太の住んでいる家もバリアがはってあってまわりにうまくとけこませてあるんですよ」

運転手は魔女のそばの椅子にこしかけると・・・

 

不思議んs不思議んな奇妙な話

お月様にはウサギはいるか・・・

白くて長い耳をしてまあるいしっぽがついている

それはウサギだウサギだよ・・・さてはてそれは地球のはなし

お月様にはウサギはいない

もちろんおもちもついてない

それは地球のおとぎ話

ほんとは・・・・運転手の不思議な話がはじまるよ