「おにいちゃん、てるてる坊主できたよ」おにいちゃんのルナははミカのさしだした小さなてるてる坊主をうけとると、
窓辺につるしました。
「明日は雨だってい天気予報が言ってたからこれは効果がないかもしれないよ」
「大丈夫、魔女さんにも頼んでおくから明日はきっと晴れるわよ」ミカは自信たっぷりでした。
「ママ、おにいちゃん、わたし魔女さんとお話したの」ミカはうれしそうに言いました。
「魔女さんと?」ママはびっくりし、おにいちゃんは「本物?」と目を丸くして。
「魔女さんはおもしろい顔をしていたわ。黄色い肌にうさぎのような長い耳をしていて、顔も
とぼけたうさぎみたいなの。お話にでてくるようなおばあさん顔ではなかtったわ。話し方はおばあさんみたいだったけど
なんだかおにいちゃんくらいのこどもみたいだったの。でもそんなこと言ってはいけないと思ってだまっていたけどね。
なにをしているの?って聞いたらお空の掃除をしているんだって。お月様やお星さまがよく見えるようにって。」
だからミカは魔女さんが助けてくれるというのでした。
ルナはちょっと心配気にミカを見つめました。
ミカは生まれたときから病気のためベッドがミカの世界でした。外のことはテレビをみたりルナからの話でしか知らなかったのです。
遠足のこともおにいちゃんの話を聞くことをとても楽しみにしていたのです。
雨の音は相変わらずでした・・・・
カタコト・・・台所で音がしてうます。ミカは飛び起き窓の外を見ました。晴れてはいませんでしたが雨はあがり雲の色も
もう雨を感じさせませんでした。
「ミカ~遠足にいけるよ」ルナがうれしそうにやってきました。「雨もあがったし道もぬかるんでないって」
ミカもピョンピョン小さなからだでとびはねました。
「やっぱり魔女さんが力をかしてくれたんだね」ルナのことばにミカはうんうんろうなずきました。
「魔女さんありがとう」心のことばでミカはお礼を言いました。
ルナはリュックサックにお弁当やおやつのお菓子をいれ元気よくでかけていきました。
ママはミカにも同じお弁当とお菓子を用意してくれました。
「じゃあママはお仕事に行ってくるわね」「は~い、行ってらっしゃい~」
ママの乗った車の音が遠くになったいきました。
空はいくらか青い空が見えてきました。もう雨は大丈夫でしょう。
コトコト・・・窓辺で小さな音がしました。「?」ミカはなんだろうと見ました。長い耳とおとぼけ顔がそっとのぞきこんでいました。
「魔女さん」ミカは驚かせないように心の声をかけました。