みんなはお砂場に集まってはきたけどなにをしたらいいのかわかりません
柔らかな感触を楽しんでいるだけでした なにしろお月様には柔らかな砂なんてありませんでしたから
そこでかあちゃんとうさ太かちゃんは地球のお砂場でしていたようにお山をつくりはじめました
そしてトンネルを掘りトンネルがつながるとうれしそうに手を差し伸べあったり顔をのぞかせて見つめあったり・・・二人はとても楽しそうでした
「ホラホラみんなものぞいてごらん」かあちゃんは自分たちばかり楽しんでいるのに気がついてみんなもさそいました
「アッすごいすごい」かわるがわるのぞいたり手をつなぎあったりして大騒ぎでした
「さあこうやってつくるのよ」かあちゃんはお山のつくりかたトンネルのほりかたをみんなに教えました
うさ太かあちゃんも小さな子の手助けをしてお山やトンネルをつくりました
みんなは失敗したりしながらも大喜びでした
そこに灰色さんが数人何かを持って飛んできました「お~いうさ太これでいいのかな~」
それはバケツとシャベルでした うさ太の言ったのとは少し違っていたけれど・・・
「ほらここに砂をいれてシャベルでかきまわすと・・・」あらら不思議なことに水もないのに砂はお団子ができるくらいしっとりしたのです
もちろんお月さまにはお団子なんてないので「ほらまねっこおもちができたよ」うさたかあちゃんは丸めたお砂をみんなに見せました
「わあおもちができたるよ」みんなは目をまるくしたいました「かあちゃん召し上がれ」うさ太かあちゃんがそういうと
かあちゃんはうれしそうに「まあまあおいしそうね」と食べるまねをしました
「これはまねっこおもちだからまねっこで食べるのよ」かあちゃんがそういうとみんなもくるくるしゃべるをまわしておもちをつくり
おもちをつくって大喜びです
特に小さい子はおもちをつくるのが気に入ったようで「召し上がれ」とおとなたちにすすめ「わあもうおなかがいっぱいだよ」とおとなたちもたのしそうに相手をしていました
お月様にうさ太たちがやってきたときかあちゃんは言いました
「ここは地球とちがっていろんな便利なものやおいしいものもないのよ お月様はわたしたちに必要なものは必ず与えてくれるから
うさ太やきにろは欲しいものがあったらお月様に願ってごらん・・・」
「かあちゃんおらはかあちゃんのそばにいられるだけでいいよ」きにろもうんうんとうなづきました
ひとりぼっちだったのにこんなに仲間がいるのがわかって幸せに思っていました
「でもねかあちゃん・・・おらお砂場だけはあるといいなって思うんだよ」
「そうね・・・お砂場はみんなが楽しめそうね・・・灰色さんに相談するといいわね」
それでうさ太かあちゃんはきにろにほうきにのせてもらい灰色さんのところに行きお砂場のことを相談したのです
きっとお月様も力をかしてくれたのでしょう・・・お月様の言うとおり・・・必要なものはちゃんと叶えてくれるのです