私が生まれたのは・・・魔女さんがほうきに乗って空からやってきたころです
おやおや・・・わたしはびっくりしました
目の前にいるのは人間さんです そんなばかなことがあるのでしょうか
人間さんはにっこり笑うと話を続けました
母は私をひとりで育てていました
それはそれは貧しくてとうとう母は私に飲ませるお乳がでなくなってしまいました 母はもう食べるののがなくて
何日も食べていなかったのです「坊や・・・ごめんね」もう泣く力もなくぐったりしている私を抱き死に場所をさがしに
森の中へよろよろと歩いていったのですが力つき倒れてしまいました
気がつくと母は家の中のベットにいました
黒い服を着た人(?)が三人で私をあやしていました 「あ・の・・・」母はおそるおそる声をかけると
「おやおや気が付いたかい?」ひとりがそばにくると母をだきおこし「さあさあこれをお飲み」と白いミルクのような
飲み物をさしだしました 母はすすめられるままその飲み物を飲みました
あまりにおなかがすいていたため怖さもなかったのでしょう「ああ・・なんておいしいんでしょう」母はつぶやきました
「もっとお飲み」「坊やは?」「大丈夫だよ たっぷりシチューを飲んでごきげんさんだよ」
「これはシチューというのですね あたたかくておいしくて生き返りました」
魔女さんは貧しい母の話を聞き「それはそれはたいへんだったねぇ」「もうそんな心配はしないようにわたしたちが力を
かしてあげますよ」「こんなかわいい坊やがいるのだからがんばって生きてくださいよ」
そして魔女さんは何種類かの薬草を手渡し「これをおなべにいれお水をたっぷりそそぎコトコトにるといいですよ」
「坊やにはスープをママは薬草をしっかり食べなさい」「薬草はわたしが届けてあげるからね」
それからは母は元気になり私もすくすく育ちました
シチューはいつもたっぷりありました 魔女さんがいつも助けてくれたのです
魔女さんたちが助けてくれたのは私たちだけではなく村の人たちにも力をかしてくれたのです
しかし不思議な力を持つ魔女さんを恐れた領主は・・・魔女狩りをはじめたのです