魔女は魔法の杖をクルクル回し・・・「*+*+$#*+」
なにやら呪文のようなものを唱えました
おやおやなにか見えてきましたよ
「かあちゃん!!」うさ太が叫びとびつこうとしました
魔女はあわててうさ太を止めました「これはほんとのかあちゃんじゃないんだよ かあちゃんのカゲだからさわることはできないんだよ」
「えっ?カゲってなに?」「わたしにはほんとのかあちゃんを月から呼び戻すことはできないからね これはかあちゃんのかたちをしているだけだよ それにこれはうさ太にしか見えないんだよ だからかあちゃんに話しかけるときは心の声でなきゃだめなんだよ 心の声でかあちゃんと言ってごらん」
うさ太は心で・・・かあちゃん!!・・・と言うとかあちゃんのカゲはうさ太のほうを向き・・・なあに?・・・と言うように笑いかけました
「残念だけどかあちゃんは言葉もでないんだよ」魔女は力のない自分を恥じるかのようにうつむきました
「魔女さんありがとう おらにはかあちゃんだよ 本物じゃないけどおらうれしいよ」うさ太は涙をながしながら・・・かあちゃんかあちゃん・・・と心の声で呼びつづけました
魔女は「わたしはもう一仕事しに行くよ うさ太ももうおやすみ」というと窓からほうきに乗って出て行きました
ガタガタギシギシとおんぼろほうきは音をたてながら魔女を乗せとんでいきました
うさ太はふとんを敷くとかあちゃんのカゲに・・・もう寝ようね・・・おやすみかあちゃん・・・と言うとかあちゃんはふとんに横になりうさ太のほうに顔を向け・・・おやすみうさ太・・と言ってるようにうなずきました
うさ太は触れないかあちゃんだけどかあちゃんの手のあるところに自分の手をおきかあちゃんを見つめつづけていましたがやがて眠りにつきました
魔女が仕事がおわってうさ太の部屋をのぞいたときはうさ太はぐっすり眠っていました
少し涙が目元にたまっていました
「やれやれ・・・かわいそうに・・・」消えそうな月を見上げ「月にt連れていってやれたらいいんだけどなあ」とつぶやきました