こんちゃんがやってきた

月の仲間たちは地球に行ってしまったきにろがもどってくるか心配していました
「うさ太かあちゃん・・・きにろはどうして地球に行ってしまったの?お月様が嫌いになってしまったの?」
「大丈夫きにろは帰ってくるよ・・・素敵なおみやげをもってね」
「おみやげ?地球のおみやげ?」みんなは顔を見合わせてちょっとうれしそうに「おみやげってなんだろうね」と言い合っていました
やがて飛び立っていったときと同じように猛スピードの魔法のほうきが飛んでくるのが見え始めました
「きにろだよ きにろが帰ってきたよ」
灰色さんが数人ほうきにのって慌てて飛んできました
何か持っていました・・・魔法の木で作ったボールに薬草がたくさんはいっていました
そしてそれをかき回しながらなにか魔法をかけているようでした
薬草はグニョグニョとしはじめやがて白い液体になりました
お月様には水のようなものはありません みんなはびっくりして見つめていました
わたしたち地球にいたものだけがそれがミルクだということがわかりました
ゴォーと大きな音がしてきにろの乗ったほうきが飛び込むように着陸しました
きにろは真っ青な顔になっていました 魔法のほうきもささくれだってボロボロでした
灰色さんは大急ぎできにろのエプロンポッケから赤ちゃんをとりだしました 小さな青白い赤ちゃんが
ぐったりとなってでてきました
灰色さんは慌ててミルクの中にあかちゃんをいれからだをそっとなぜながらなにか魔法の言葉をつぶやいていました
もうひとりの灰色さんは小さないれものにミルクを入れきにろに飲ませました
またもうひとりの灰色さんは魔法のほうきにミルクをあたえました
ほうきはゴクゴクとミルクをのんでいるかのように柄の先をミルクの中につっこんでいました
あんなにささくれ傷ついていたのにほうきはきれいになっていきました
でも灰色さんはほうきをかつぐと大急ぎで魔法の森にむかって飛び立って行ってしまいました

やがてミルクの中の赤ちゃんはゴクリゴクリと小さな口でミルクを飲み始め顔色も薄いピンクになってきました
「もう大丈夫」灰色さんは赤ちゃんを抱き上げきにろの腕の中にいれました
「ママ」小さな声で赤ちゃんはきにろを見つめながら呼びました「ああ・・・こんちゃん」きにろはやさしい声で
赤ちゃんに声をかけそっと抱きしめました
そのときからきにろはみんなから「きにろママ」とよばれるようになったんですよ
みんなは薄ピンクで三角耳の小さな赤ちゃんに見とれてしまいました
パチリと開けた目は紫色でしたからそれもびっくりしてしまったのです
お月様では見かけない色でしたからね
こんちゃんは元気に育ちました 小さかったけどね
月の森幼稚園ではわたしのあとを「ゆう太~」追いかけまわし家に帰ると「ママ~ママ~」ときにろママにだきついれいました
地球はますます汚れわたしたちを囲うバリアは厚みを増し見上げてももう地球のかたちすらみえませんでした
わたしたちは水晶玉でしか地球を見ることはできなくなっていたのです
少しずつなにかが変化をし始めていたのでしょう・・・

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