別れのはじまり

その時は突然やってきた・・・かあちゃんはまだもう少し先のことだろうと思っていました
朝いつものようにお仕事の箱とおもちの箱を部屋にいれようとドアを開けるとお仕事の箱が二つになっていました
「ああ・・・ああ・・・そんな・・・」かあちゃんは泣きそうになりました

テーブルのそばにふたつの箱をおきおもちの箱をいつものようにテーブルにのせ・・・朝食の支度をする元気もなく・・・うさ太が起きてきてぼんやりしているかあちゃんを見て「どうしたの?かあちゃん・・・どこか具合が悪いの?」そしてお仕事の箱が二つあるのをみつけると「アレレ?お仕事がふえたの?それで困ってるの?おらおうちのこと全部してあげるよ」

かあちゃんは少し笑って「ありがと、うさ太 違うのよ これはうさ太の分なのよ」
「えっ?おらのお仕事?」「そうよ・・・うさ太がなんでもできるようになったからいよいよ封筒はりを覚えるときがきたのよ」
「わぁ~~そうなんだ、うれしいな~~でもかあちゃんはなんだか悲しそうだよ」うさ太はかあちゃんの様子が気になってしかたないのです
「ううん、かあちゃんはうさ太がこのあいだまで赤ちゃんだったのにこんなに大きくなって封筒はりができる年になったのでちょっとさみしかっただけよ」
「おらが大きくなったらどうしてさみしいの?」
「うさ太も覚えているでしょ?赤ちゃんでかあちゃんのところにきたことを・・・可愛くて可愛くてかあちゃんはいつまでもだっこしていたかったのよ」
「うん覚えてるよ、おらもかあちゃんにだっこされてすごく幸せだったよ、今だってだっこしていいんだよ、おらかあちゃんが大好きだから」
うさ太の言葉にかあちゃんは笑い出し「そうねいつだってだっこすればいいのよね、かあちゃんにとってうさ太は可愛いあかちゃんだもの」、さあさあ朝ごはんをつくりましょ!!」かあちゃんは自分に気合をいれるように元気よくたちあがりました

その日からもう青いバケツと黄色いシャベルを持って公園に遊びにいくことは少なくなりました
少しずつかあちゃんはうさ太に封筒はりを教えていきました「ゆっくりでいいのよ」「うん・・・」
うさ太は息をとめるように真剣に覚えよう努力しました
かあちゃんのお仕事を見ていたとはいえ実際にやるとそれは難しいものでした
何枚も失敗し何日もかかり・・・

かあちゃんは耳をピクピク動かして「うさ太、今日はパン屋さんがくるから公園にいきましょ」と誘いました
「うん」うさ太はうれしそうにピョンピョンはね母ちゃんと手をつなぎでかけるのでした
パン屋さんはうさ太を見るとちょっと目をみはりましたがなにもいいませんでした
パン屋さんにはうさ太が大きくなったのがわかっていたのでした「もうじきなんだな・・・」二人の後ろ姿をみながら首をふりました

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