不思議のうさ太

かあちゃんは「うさ太はお月様に来てからとても幸せそうね」とうれしそうにいいました
「そりゃかあちゃんにあえたんだもん幸せいっぱいだよ それにゆう太ときにろ・・・家族も
増えたんだよ」「それに灰色さんたちに会えたのはうさ太にとってとてもよかったでしょ?」
「うんなんか気持ちが落ち着いた感じだね・・・このことはかあちゃんは知っていたんだね」
「ええ地球にいったとき魔女さんからうさ太の誕生について聞いたのよ」
かあちゃんとうさ太かあちゃんは二人にわかることを話していましたね
わたしは小さかったしきにろもなんのことやらわからなかったようでした
ただうさ太かあちゃんが灰色さんとなにか関係があるのはわかりました
時々きにろにほうきに乗せてもらって灰色さんのところに連れて行ってもらっていましたからね
それにうさ太かあちゃんはだんだん灰色さんぽくなっていきました
肌の色やちょっぴり魔法を使うことなど・・・もちろんきにろも魔法上手に使えるようになっていきましたよ
きにろも灰色さんと関係が深かったということですね

わたしは月の森幼稚園でみんなと遊び月のことを覚えていきました もちろんわたしは地球での暮らしは
短くてそんなにとまどうことなんてなかったのですが・・・
うさ太かあちゃんときにろは月での暮らしはとまどったのでは・・・でもどちらかというと
楽しんでいました
地球での暮らしが長かったけど人間さんとはそんなにかかわっていたわけではなかったのですから

おもちをついたり赤ちゃんもちをまぜたりそれはきにろにとって特に楽しかったようですね
ひとりぼっちだと思っていたらうさ太かあちゃんと兄弟だとわかりうれしかったのにもっと
たくさんの仲間ができたんですからね
そしてきにろはやがて・・・


お月様の言うとおりに・・・

みんなはお砂場に集まってはきたけどなにをしたらいいのかわかりません
柔らかな感触を楽しんでいるだけでした なにしろお月様には柔らかな砂なんてありませんでしたから
そこでかあちゃんとうさ太かちゃんは地球のお砂場でしていたようにお山をつくりはじめました
そしてトンネルを掘りトンネルがつながるとうれしそうに手を差し伸べあったり顔をのぞかせて見つめあったり・・・二人はとても楽しそうでした
「ホラホラみんなものぞいてごらん」かあちゃんは自分たちばかり楽しんでいるのに気がついてみんなもさそいました
「アッすごいすごい」かわるがわるのぞいたり手をつなぎあったりして大騒ぎでした
「さあこうやってつくるのよ」かあちゃんはお山のつくりかたトンネルのほりかたをみんなに教えました
うさ太かあちゃんも小さな子の手助けをしてお山やトンネルをつくりました
みんなは失敗したりしながらも大喜びでした
そこに灰色さんが数人何かを持って飛んできました「お~いうさ太これでいいのかな~」
それはバケツとシャベルでした うさ太の言ったのとは少し違っていたけれど・・・
「ほらここに砂をいれてシャベルでかきまわすと・・・」あらら不思議なことに水もないのに砂はお団子ができるくらいしっとりしたのです
もちろんお月さまにはお団子なんてないので「ほらまねっこおもちができたよ」うさたかあちゃんは丸めたお砂をみんなに見せました
「わあおもちができたるよ」みんなは目をまるくしたいました「かあちゃん召し上がれ」うさ太かあちゃんがそういうと
かあちゃんはうれしそうに「まあまあおいしそうね」と食べるまねをしました
「これはまねっこおもちだからまねっこで食べるのよ」かあちゃんがそういうとみんなもくるくるしゃべるをまわしておもちをつくり
おもちをつくって大喜びです
特に小さい子はおもちをつくるのが気に入ったようで「召し上がれ」とおとなたちにすすめ「わあもうおなかがいっぱいだよ」とおとなたちもたのしそうに相手をしていました

お月様にうさ太たちがやってきたときかあちゃんは言いました
「ここは地球とちがっていろんな便利なものやおいしいものもないのよ お月様はわたしたちに必要なものは必ず与えてくれるから
うさ太やきにろは欲しいものがあったらお月様に願ってごらん・・・」
「かあちゃんおらはかあちゃんのそばにいられるだけでいいよ」きにろもうんうんとうなづきました
ひとりぼっちだったのにこんなに仲間がいるのがわかって幸せに思っていました
「でもねかあちゃん・・・おらお砂場だけはあるといいなって思うんだよ」
「そうね・・・お砂場はみんなが楽しめそうね・・・灰色さんに相談するといいわね」
それでうさ太かあちゃんはきにろにほうきにのせてもらい灰色さんのところに行きお砂場のことを相談したのです

きっとお月様も力をかしてくれたのでしょう・・・お月様の言うとおり・・・必要なものはちゃんと叶えてくれるのです


月の森幼稚園

未来のゆう太は話始めました

きにろさんとうさ太(わたしのかあちゃんです)とエプロンポケットに入っていたわたしたちは
無事に月に到着しました
地球の力から抜け出すときはもうだめかと思うほどすごい力でひきとめられましたけれどなんとかふりきりました
そのあとは急に軽くなりスピードもあがり月に近づくと月はわたしたちをやさしく迎えてくれました
うさ太はかあちゃんと抱き合いまるでこどものように泣いていました
わたしはきにろさんにだかれそれを見ていました
「かあちゃん・・・どうちて泣いてるの?}きにろさんに聞くと「うれしくて泣いているんですよ}そう答えたきにろさんも涙をいっぱいうかべていました
お月様の仲間たちはわたしたちを温かく迎えとくにきにろさんがいなくなった赤ちゃんだとわかるとそれは大喜びをしました
まあ・・・このあたりのことは魔女さんはわかっているでしょうが・・・
うさ太のかあちゃんは長い間地球で暮らしていたので生活のリズムがみんなとちがっていました
最初はみんなにあわせようとしたのですが疲れて具合が悪くなってしまったそうです
それで灰色さんが月の裏側に地球にいたときのような家を建ててくれてかあちゃんは朝におもちを食べるとみんなとすごし
夕方の時間帯になると家に帰り眠りにつきました
月の仲間はそんなかあちゃんを得に気にはしなかったそうです
みんな自分のリズムで好きなときに眠ったりしていたのです
ただ朝のおもちをついて食べるときはみんな一緒に行動しました
わたしのかあちゃんやきにろさんも地球でくらしていたので夜の時間になると家に帰りました
朝になるとおもちをつきに行きみんなとお餅を食べました
かあちゃんとうさ太かあちゃん(わたしのかあちゃんはそうよばれました)は筏に{月の森幼稚園}と名前をつけました
わたしはみんなと筏ですごしました
ブランコ すべりだいがありました 積木もありました
うさ太かあちゃんは「ああ・・・お砂場があるといいなあ」とかあちゃんに言っていましたがある日きにろさんにたのんで
ほうきにのせてもらい灰色さんのところに行きました
灰色さん数人ともどってくると灰色さんは魔法の木で囲いをつくりザラザラとした砂をその中に集めました(魔法でクルクルと砂が集まってくる様子は
わたしたちこどもにはすごくおもしろかったですね おとなたちもみつめていましtね)
砂が集まるとみんなに命の森で落ち葉を集めてきてくださいと言いました
{またバリアですか?」だれかが言うと「いえいえ今度は楽しいものですよ}とニコニコしてこたえました
集まった落ち葉をまた魔法でクルクルと砂と混ぜ合わせ7ました
ザラザラの砂がうやがてやわらかそうな砂にかわってきました「うさ太このくらいかい?」灰色さんがきくと
かあちゃんとうさ太かあちゃんは手で砂にさわり顔をみあわせ「すごいすごい・・・気持ちいい砂だよ}と
大喜びの顔になりました
「さあこどもたちここにいらっしゃい}かあちゃんが言うとこどもたちは不思議そうな様子でやってきました
おとなたちもぞろぞろち近づいてきました


不思議な話のはじまり

はいってきたのは運転手でした
「おやおやなつかしいにおいですね」部屋の中を見るとテーブルの横で魔法の火の上に魔女のシチューがコトコト煮えていました
魔法のしゃもじがユラユラかき混ぜています
「これは・・・なつかしいはずですね・・・ということは魔女さんがいるということですね」
テーブルの上にはこんちゃんのはいっていたビンと月の香りの器が並べておいてありました
「おや?」こんちゃんのびんにはなにか黄色いものがはいっています
よく見ると「おやおやこれはきにろさんのしっぽですね・・・きにろさんたらしっぽを忘れてったんですね」
運転手はおかしそうに笑いしっぽのないきにろママの姿を思い浮かべました
するとまたドアが開き誰かが入ってきました
「おやおや」「おやおや」二人は同じ言葉をいいました
入ってきたのは女の人でした「おまえは運転手・・・いやいやゆう太だね」「エッ?・・・あなたは魔女さんですね」
「魔女だからってゆう太ってわかったんじゃないよ さすがにそこのところはわからなかったよ」
「ではどうしてわたしがゆう太とわかったんですか?」
あの時・・・うさ太との別れのときにかわしていた言葉だよ・・・ありがとうゆう太・・・かあちゃん」
「あの言葉が聞こえたんですか・・・やはり魔女さんにはわかってしまうんですね」
運転手がゆう太?うさ太のこどものゆう太ってそんなことおかしいですよね
「ゆう太ということはわかったけど・・・なぜゆう太がここに?それがさっぱりわからないんだよ」
「ああ・・・それは魔女さんにもわからないことなんですか・・・わたしは未来からきたんです」
「うむ・・・それはわかるけど未来からくるなんてできることなのかと思ってね・・・いくらわたしたちが魔法を
使えても時間を移動することはできないからね」
「そうですね・・・わたしだってそんなことできるなんてと思いましたよ・・・でも・・・未来ではなにか時間が
ねじれているらしいって・・・こんちゃんが言うのです」
「こんちゃんってきにろのこどものこんちゃんのことかい?」魔女は不思議そうな顔でたずねました
「ええきにろさんのこどものこんちゃんです・・・わたしはこんちゃんに頼まれて未来からきたのです」
「未来からどうやって?」「それはわたしにもわかりません・・・こんちゃんがなにか魔法を使ったようですがよくわからないうちに
わたしはここの時間の世界にいました」
「おやまあなんて不思議な魔法をこんちゃんは使えるのですね~」
「そうですね・・・こんちゃんは不思議なひとですから・・・」
そう言って運転手いやゆう太は話始めました


きにろの過去は・・・?

きにろは遠い昔を思い出しました
「ママ、ママ、わたしにもママがいたのですね」
「きにろ・・・ごめんね・・・これにはわけがあるのよ・・・でも今はこんちゃんを大急ぎで月に連れて行かなければね
ここは月の空気がうすくてこんちゃんには苦しいのよ」
きにろも手の中のこんちゃんが苦し巣なのがわかったので「はい」と言いました
「こんちゃんをそのエプロンに・・・ほらうさ太がゆう太をくるんだように」
きにろはこんちゃんもちがはいっていたピンクのぬいぐるみの頭にこんちゃんをいれエプロンでポケットをつくりそっといれました
「よくエプロンをしてきたわね」「うさ太がアドバイスしてくれたの・・・うさ太はなんだかこのことを予測したいたみたいだったわ」
「そうね うさ太はだんだん灰色族になってきたわね」「灰色族?」
「あとできちんと説明したあへるから早くほうきにのりなさい・・・しっかりつかまるのよ」
魔女ママはそういうときにろはほうきにのりました
「さあ出発よ」「はい」窓から月に向かいほうきは飛び出しました
そのスピードはすごくてどんどん高く飛びあっと言う間に小さくなって行きました

こんちゃんの誕生ときにろママ・・・そして魔女ママ
そのわけはもう知ることはできないのでしょうか
またまた誰もいなくなった家・・・

また時がいくつか流れました

おや?静かにドアがあきましたよ
この家にはいれるのは長耳族だけです・・・いったい誰がはいってきたのでしょう