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魔女のその後

運転手は魔女の横にすわり話始めようとしながら帽子をぬぎました

ありゃ~~丸めてあった白い長い耳が飛び出しました

「ワワワ~~~」魔女はびっくりして椅子ごとひっくりかえりました

「魔女さん魔女さん大丈夫ですか」運転手は魔女のびっくりぶりにびっくり・・・まさか耳くらいでこんなになるなんて・・・とあわてました

魔女はひっくりかえったままです

「あれれ・・・」運転手は気絶した魔女をベッドに運び「魔女さんしっかいしてくださいよ・・こんなことで驚くなんて魔女らしくないですよ」

「ウ~~~ンウ~~~ン」どうやら死んではいないようですね~~

なかなか目を覚まさないので運転手は「やれやれこれじゃ今日は話ができないな~~もうすっかり日がのぼってしまったよ わたしも昼間の仕事があるしね・・・魔女さんまた今度にしましょうね」

運転手は帰ってしまいました

しばらくして・・・魔女は気が付きましたがしばらく何が起きたかわからなくてぼんやりしていました「オウオウ・・・長靴長靴・・・」魔女は自分の足にしっかり黄色い長靴があるのを見てホッとしました 肝心な運転手のことえお思い出したのはだいぶ時間がたってからでした(アンポンですね~)

「いや~~びっくりしたね なさか運転手が長耳族だなんて わたしとうさ太親子だけかと思っていたよ そういえばなにか話してくれるようなことを言っていたけど・・・長耳のことだったのかな?」

そんなことよりこの長靴のおかげで昼間も外に出られるということのほうが気になりました

外はもう日が当たっています

魔女には苦手なおひさまが待っています それでも大丈夫なんだろうか 魔女は不安でたまりませんでした

そっとドアをあけてみました 一歩足を出してみました 体を全部外にだしました

まぶしくもないし体も日ざしでピリピリしませんでした ポツリポツリ歩いてみました

明るくてなにもかも輝いているようで魔女は楽しくてたまりません

人がやってきます・・・魔女はビクリとなって固まってしまいました

でもなにごともないように通り過ぎていきました

「ああ・・・怖かった・・・ドウナルカト思ったよどうやら本当に魔法の長靴なんだ」

それからの魔女は夜のお仕事はそこそこに昼間歩き回ることに夢中でした

運転手が来る頃はグウグウ寝ている始末

これじゃ運転手の話がきけないじゃないか・・・


がんばるうさ太

本当にひとりになってしまったうさ太はお掃除洗濯をし・・・もう公園にいくこともなく買い物にも行くことなくただお仕事の封筒はりをし食べるののはおもちだけでした

心の中でかあちゃんに話しかけながらさみしさをまぎらわしていました でももう涙はながしませんでした

白い長靴をはくのはお仕事の出し入れのときだけです

 

そんな日々をおくっていたうさ太にある朝お仕事を家の中に入れておもちの箱をあけてびっくりしました

大きなおもちがはいっていたのです「わぁ~大きいおもちだ これってかあちゃんが食べていたのとおんなじだ・・・ってことはお月様に行ける日が近づいたってことだよね」うさ太はうれしくなりました

それからしばらくたったある夜です

「今日のお仕事も終わったし・・・おふろにもはいったし・・・ああ今日はお月様がみえるな~~」うさ太はいつものようにお布団を敷きました うさ太はあの日からずっとかあちゃんのお布団も敷いていました

「かあちゃん今日も一日おわったよ・・・」ちょっと悲しくなりそうであわててお布団にもぐりこみました

「アレレ~~」うさ太はびっくりしました なんとお布団から足が飛び出したのです「おら大きくなったんだ 大きなおもちを食べるようになったからだね」

うさ太はニコニコ顔になって「かあちゃんのお布団にねよ~~っと」うれしそうにもぐりこみました

ちょうどいい大きさで足もとびでません

かあちゃんのお布団で寝られるよろこびとかあちゃんと同じになったよろこび「きっともうじきお月様に行けるんだ」うさ太は幸せな気持ちになりました

かあちゃんにつつまれるように眠りについたうさ太・・・

翌朝・・・すごいことがおきました・・・こんなことってありですか~~~

 


魔女と運転手

魔女が浮かれて踊っているところにドリームバスの運転手が入ってきました

手には一晩中働いてどす黒いものをいっぱいいれた袋を持っていました

「おやおや」棚の空きびんに袋の中の黒いものを入れながら

「あれあれ・・・」長靴に気づくと笑いをこらえるように下を向きました 空きびんがどれもいっぱいになると残りはシチューの鍋び放り込みいつものように魔女の目をぬすんで白いおもちも鍋にいれました

・・・いつものように白いおもちも???・・・

「魔女さんどこかにお出かけですか」カップにシチューをいれて魔女に手渡しながら聞きました

「出かける?・・・そんなことはできないさ 今日はいいお天気で日ざしが強いだろうし・・・わたしのこの姿では無理ってもんだよ」長い耳をクルクル動かし椅子にすわるとシチューを飲み始めました

「だけど魔女さんはうさ太の長靴をはいているじゃないですか

」「う・ううさ太の長靴?いやいや・・確かにそうだけどなんでわかるんだ?」「アハハうさ太の名前がかいてあるんですよ まあちょっと見には模様にしか見えないけど・・・」

「・・・これは・・・もrったんだよ・・・盗んだりしてないよ」魔女はあわてて言いました

「盗んだなんて・・・そんなこと思いませんよ」

でも運転手は・・・これはきっとだまって持ってきたんだろうな・・・と思いました

「魔女さんその長靴には魔法がかかっているんですよ」

「魔法がかかっている?」魔女は足元の長靴を見つめました

「そうですよ だからうさ太たちは外に出ることができたんです この星の人と同じ姿に見えるんです どんなふうに見えているのかはわかりませんけど違和感なくいられるんですよ」

「ありゃそうだったのか・・・おかしいな~って思っていたんだよ」

「うさ太の住んでいる家もバリアがはってあってまわりにうまくとけこませてあるんですよ」

運転手は魔女のそばの椅子にこしかけると・・・

 

不思議んs不思議んな奇妙な話

お月様にはウサギはいるか・・・

白くて長い耳をしてまあるいしっぽがついている

それはウサギだウサギだよ・・・さてはてそれは地球のはなし

お月様にはウサギはいない

もちろんおもちもついてない

それは地球のおとぎ話

ほんとは・・・・運転手の不思議な話がはじまるよ


魔女の正体

魔女は仕事をそこそこに・・・大急ぎで家に帰りました

魔女はワクワクしながらポケットからカゲのかあちゃんでくるんで持ち帰ってきたうさ太の黄色い長靴をとりだしました

カゲのかあちゃんをひろげ長靴を手に持ちうれしそうに見つめテーブルの上にそっと置きました

「この大きさではわたしには無知だから・・・」魔法の杖をとりだし長靴の中に突っ込みクルクルと回し始めました

長靴が少しずつ大きくなっていきます

えっ?これって魔法?・・・テヘヘ~だね

「このくらいでいいかな?」魔女は大きくなった長靴をはこうと黒く長い服の裾をまくって足を出し「わっ、なんてきたない足なんだ」とつぶやきました

なにしろいつも裸足なんだからきれいなはずはありません

そばにあった水差しをとり足にかけ手でこすり汚れを落としにかかりました

きれいになり始めた足と手・・・魔女はぬれた手足を長靴をくるんdえあったカゲのかあちゃんでゴシゴシふきました

アリャリャなんということをするのでしょう うさ太が見たら・・・魔女は吹き終わるとカゲのかあちゃんをポイとシチュー鍋に放り込みました・・・コラ~~~なんてことを・・・

しかしわたしたちはそんなことよりもっとびっくりすることを目にするのです

きれいになった手足はなんとうさ太と同じ黄色だったのです

手足が

黄色ということは・・・

「へへへ・・・こりゃいいね~~」魔女は長靴をはきうれしそうにクルクル踊ってしまいました

帽子が勢いで落ちてしまいました

あちゃ~これはこれは・・・なんと白くて長い耳がでてきたのです これってどういうこと~~~~


うさ太の成長

うさ太は目が覚めました いつものように日が昇る前です

「アッ」うさ太は飛び起きました あわててテーブルの上を見ると昨日し残したお仕事がはじのほうにまとめておいてありましたが箱はありませんでした

ドアをあけてみるといつものように新しいお仕事の箱とおもちの箱がおいてありました 家の中に運び込みおもちの箱はテーブルの上に置き「おもちはもう一個だね・・・かあちゃんはいないしカゲのかあちゃんは食べることができないものね」

カゲかあちゃんはいつもかあちゃんがすわっていた椅子にすわりました・・・おはようかあちゃん・・・

かあちゃんは笑顔でうなずきました

・・・ごめんねおらの分しかおもちがないんだよ・・・

・・・いいのよ・・・というようにかあちゃんはおもちをうさ太にすすめるように手をさしだしました

うさ太はおもちを食べましたがなんだかのどを通りませんでした ミルクがないせいかな~と思いながらもうさ太はおもちしかたべませんでした

うさ太はいつものように洗濯斗」そうじをし・・・かあちゃんお天気もいいし公園にいこうね・・・耳をピコピコ動かして公園にあまり人がいないことを確かめました

かあちゃんがいたときはうさ太には様子がさぐれなかったのに今日はとてもよくわかりました

黄色い長靴はもう小さかったのですがやわらかいうさ太の足はなんとかいれることができました

かあちゃんが買ってくれた白い長靴ははきませんでした

カゲのかあちゃんとは手をつなげないのは悲しかったけれど

かあちゃんはうさ太にしか見えないのだけれどそれでもかあちゃんがいるようで心が落ち着きました

パン屋さんがきたらメロンパンがほしいなと思ったけれどあきらめました

だってうさ太はお金を持っていなかったからです

いつもかあちゃんが白いエプロンのポケットから白いお財布をだしお金をはらっていたのです

パン屋さんはうさ太が公園に行ったときにはきませんでした

公園に行かないときも耳を動かしてみましたがパン屋さんはきていないようでした

そうやってカゲのかあちゃんとしばらくすごしていましたいついつのまにかうさ太はなにもできないカゲのかあちゃんの面倒えおみるかのように・・・かあちゃん○○しようね・・・声をかけていたのです

うさ太は積極的に動くようになりました かあちゃんに甘えていたときのうさ太とは違ってきていました

そんなときうさ太は公園の帰り道にすれ違った人の声をきいたのです かあちゃんといたときはまわりの人の言葉は耳にはいりませんでしたからその言葉はズ~~ンと心にしみこみました

「そうだもうかあちゃんはいないんだ・・カゲのかあちゃんはおらにしかみえないんだからね」

声にだしたみるとそれははっきりと実感できました

家に着くとうさ太は黄色い長靴とシャベル、バケツをきれいにふき棚の奥にしまいました

そして白い長靴を玄関に置き白いエプロンをしました

ポケットがふくらんでいるので手をいれると白いお財布がでてきました 中にはちゃんとお金がはいっていました

「かあちゃんはおらが困らないようにちゃんとしておいてくれたんだね」

そしてカゲのかあちゃんに・・・かあちゃんおらのそばで見守っていてくれてありがとう、おらはやっとひとりでやっていける自信がついたよ、今晩魔女さんにかあちゃんをかえそうと思ってる、ごめんねかあちゃん・・・

するとカゲのかあちゃんは抱きしめることはできないのにまるで抱きしめるようにうさ太のからだのまわりに手をまわしました

うさ太はお仕事をがんばってしてしまい夜になってから外におくと窓のところにいって・・・魔女さん魔女さんおらのところにきてください・・・と心の声で呼びました

しばらくすると「ガタガタギシギシ・・・」魔女のほうきの音が聞こえてきました

「やあうさ太どうかしたのかい?」魔女は心配そうな声でききました「魔女さんお仕事なのに呼び出してごめんなさい」

「いやいや・・・そんなことはかまわないさ」実は魔女は居眠りをしていてまだ仕事にでていなくてうさ太の声でとびおきたのですけどね

「魔女さんカゲのかあちゃんをお返ししようと思って・・・」

そしておわてて棚の奥にしまった黄色い長靴を取り出してきて

「おらはもう赤ちゃんじゃないんだ、この長靴に無理に足をいれていたんだよ もうかあちゃんの買ってくれた白い長靴をはかなければいけなかったんだ」

うさ太とくらべるとその長靴はあまりにも小さく見えました

「それでうさ太はひとりで大丈夫かい?」「うん、もう大丈夫だよ ちゃんと大きくならなければかあちゃんのいるお月様にいけないと困るからね」

「それならいいけどね・・・うさ太後ろをむいていなさい かあちゃんを消すところは見ないほうがいいからね」

うさ太はかあちゃんに・・・さよなら母ちゃん元気でね・・・と言いました

かあちゃんはうさ太を見つめ手を小さく振りました

うさ太は後ろを向きました きっとすごい魔法消すからうさ太のは見せたくなかったのでしょうか

魔女はカゲのかあちゃんをヒラリと床の上にひろげるように置きうさ太のほうを見ながら黄色い長靴を取りカゲのかあちゃんでくるくるとくるむとサッとポケットにいれてしまいました

まあまあ、なんという魔法でしょうか それに長靴を盗むなんてなんてやつでしょう

長靴が欲しければうさ太にそう言えばくれたでしょうに・・・

魔女は「終わったようさ太」と声をかけました

うさ太は振り返りキョロキョロと見ました

・・・かあちゃん・・・呼んでみました 声なんてかえっては

ないけど

うさ太は長靴が無くなっていることは気がつかないようでした

「じゃわたしはもういくよ・・・また用があったら呼んでおくれ わたしにできることならなんでもしてやるからね」

ガタガタギシギシほうきをならして魔女は飛び去って行きました

「ああ・・・ほんとのひとりになったんだね かあちゃんおらがんばるからね かあちゃんに会えるときはおらはおとなになってるよ・・・でもかあちゃんには甘えさせてね」

お月様は三日月でした・・・