kiniro一覧

かあちゃんの思い

かあちゃんのお仕事は封筒はりです
朝いちばんにドアの外に置いてあるお仕事のはいっている箱とその上に乗っている小さな箱を部屋に入れます
お仕事の箱をテーブルのそばに置き小さな箱は大切に
テーブルの上に置きます
そのころうさ太は目を覚まし顔と手を洗うとお手伝いをします
テーブルの小箱からお餅のような白いものを取り出しおさらにのせます

そしてコップにミルクを注ぎます 以前はこぼしてしまうこともあったけど今は上手に注げます
それからかあちゃんのところに行ってサラダ、ハムエッグ、トーストをはこびます
「かあちゃんはパンになにつける?おらは今日はバターだよ いっぱいつけよ~っと」
かあちゃんは笑いながらイチゴジャムをとりだしました

 

テーブルの上はおごちそうですね

二人は最初にお餅のような白いボールを食べます
これは必ず食べないといけないのです 二人の命の元ですから・・・
これさえ食べればなにもいらないのですがおいしいものも食べたいですからね
「おいしいね~かあちゃん」「ほんと・・・おいしいわね」二人はしあわせそうに顔を見合わせます

かあちゃんはお餅を食べるたびに大きくなっていくうさ太をうれしそうに・・・さみしそうに見つめます
まだ封筒はりの箱はかあちゃんの分だけですがやがてうさ太の分も運ばれてくるでしょう
かあちゃんはそれが怖くてたまりません・・・・

いつまでもいつまでもうさ太のそばにいさせてください
お月様にお願いするかあちゃんですがうさ太はそのことに気がついていないのです

ああ・・・かちゃんはやがて・・・


魔女のひとりごと

魔女のきにろはたっぷりシチューを飲んで居眠りでもしようとしていました クルクルと水晶玉をまえあしながら・・・

・・・そういえばあの日もこんなふうに水晶玉をまわしていたっけなあ

その時目にとびこんできたのがあの親子の姿

いや~~まったくびっくりこっくり目が覚めたよ

ありゃ~~これはまったくいやいや驚きだ・・・

 

魔女は親子・・・うさ太とかあちゃん・・・の姿を見てから

気になって毎日のように水晶玉を見ていましたがそのうちに親子の家にいってまでその様子をのぞき見するようになりました

 

・・・わたしにはかわった姿に見えるけどどうやら人間にはふつうに見えているようだな・・・

 

ますます気になって目が離せなくなってしまったのです

 

 

 


うさ太とかあちゃん(1)

うさ太は大好きなかあちゃんと暮らしています
かあちゃんの目は赤くてとてもきれいです うさ太の目は違います 暗い青の目です「かあちゃんおらの目はどうして赤くないの?人参が嫌いだからかな~」
するとかあちゃんはうさ太の目をのぞきこんで「うさ太の目はかあちゃんの大好きな夜のお空の色なのよ 目の中にはお月様が見えるのよ 素敵でしょ?」といいました
「えっ?お月様が見えるの?」うさ太は鏡をのぞきこみました でもお月様は見えません
「お月様いないよ~」うさ太がベソをかくとかあちゃんは「大丈夫よ そのうちうさ太にもみえるようにんるからね」

かあちゃんは真白なはだをしています 長い耳もまあるいしっぽも真白です
うさ太のはだは黄色です 長い耳と丸いしっぽはかあちゃんと一緒の白なのですが・・・うさ太は小さい頃おふろでごしごし洗えば白くなると思っていました
でもいくら洗っても白くならなくて泣きました
「エ~ンエ~ン白くならないよ~~」
「泣かなくていいのよ かあちゃんがお月様のような黄色の肌で夜のお空の色の目をした赤ちゃんをくださいってお願いしたのよ 初めて会った日を覚えているでしょ
どんなにかあちゃんが喜んだかを」
うさ太はかあちゃんに初めてだっこされたときをよく覚えています 柔らかな白くあたたかい胸の中で幸せいっぱいだったことを・・・


魔女のひとりごと

魔女は風でくるんで運んできた言葉をシチューの中に放り込んでつぶやきました

・・・やれやれ、こんなものでは黒いシチューにはもどらないな~~うさ太に力を貸したりすると必ずシチューは白くなってしまう 白いシチューなんて飲んでしまえばわたしゃオダブツになってしまうよ・・・

魔女は棚のビンをとりました
これにはいざというときの予備の黒い心が詰まっています
ドリームバスの運転手がもってきたものです
一ビン入れるとシチューはなんとかもとにもどりました
クルクルかき混ぜて器に一杯入れ椅子に座るとシチューを飲み始めました
お鍋には魔法をかけたしゃもじを放り込みクルクルまぜさせています
・・・これで居眠りをしてもシチューはこげないね・・

魔女は満腹になりウツラウツラふねをこぎはじめました
お鍋の中ではしゃもじまで居眠りをしているようにユラユラのんびりとシチューをかき混ぜています

ああ~~魔女は気が付いていませんでした
せっかく風を吹かせ運んできた言葉はうさ太の敏感な白くて長い耳に届いてしまったことを・・・


水晶玉に・・・うさ太

(かあちゃん、いいお天気だよ)

洗濯もお掃除もすんだし・・・

公園へ行こうね)うさ太はかあちゃんに買ってもらったお気に入りの青いバケツと黄色のシャベルを持ち大好きな」黄色の長靴をはいた

外に出るとピョンピョンはねながらかあちゃんと手をつなごうとして

(おら、ひとりで歩けるよ!!)かあちゃんはそんなうさ太を

ニコニコ笑っていました

(道だって、ほら・・・右見て、左みて・・・)

かあちゃんがウンウンと頷くの見るとうさ太はうれしくてまたピョンピョンはねました

公園のいつものお砂場につくと(かあちゃん、今日こそバケツのお山をつくるからね)

バケツにお砂をギュウギュウつめてエイ、ヤァ、って力いっぱいひっくりかえし・・・ちょっとお山の頭はかけてしまったけどなかなかりっぱなお山ができました

うさ太が自慢げにかあちゃんを見ると・・・かあちゃんはすご~いというように目をいっぱいに見開いていました

かあちゃんのきれいな真っ赤な目がキラキラ輝いていてうさ太はちょっと涙がでそうになりあわてて(お水をくんできて今度はお団子をつくろうね)

うさ太はバケツにくんできたお水の中に砂を入れかきまわしちょうどいい感じになると小さな手でお団子をつくりました

ちょっととげとげがでたけれどうさ太はバケツのお山の上に二つおきました

(今度は三角おにぎりだよ)かあちゃんの手つきをまねてつくったおにぎりはちょっと丸みをおびている三角になったけどお団子と並べてお山の上におきました

(さあ、召し上がれ・・・まねっこでね)パクパクパクうさ太は食べなした かあちゃんもまねっこでパクパクパク食べていつようでした

その後はお山をつくってトンネルをほって・・・トンネルが通じたらかあちゃんと握手をするんだ・・・でもトンネルは通じる前にこわしてしまいました

(あっ、もうお日さまがあんな上に・・・お昼になるから帰ろうね)うさ太はお水でバケツとシャベルを洗い、長靴についた砂も洗い、小さな手もきれいに洗いました

そして、かあちゃんとは手を・・・つながないで帰りはじめました

途中ですれちがった二人連れが・・・

「ねえ・・・あの子この頃ひとりで公園にくるわね、以前はおかあさんと一緒だったえあよね~」

「シッ!!聞こえるわよ・・・ほら、おかあさんって・・・」

そのとき一陣の風が吹きその言葉は運ばれていきました・・・