「おらはゆう太と地球に残ってもいいんだよ ゆう太がお月様に戻れる日までおらはずっとそばにいようと思ってるよ」
「でもそうしたらうさ太は月に戻るチャンスがなくなってしまうんだよ」
「うんわかってるよ それでもいいと思ってるよ」
「それじゃうさ太はひとりぼっちになってしまうんだよ」きにろが泣きそうになりながら言いました
「うん・・・そうだね でもそれでもいいと思ってる」うさ太はゆるぎない強い言葉でこたえました
「うさ太さんわたしがどんなことをしても月にかえしてあげます もちろんゆう太さんも一緒です」運転手は
きりっとした声で言いました
うさ太はじっと運転手を見つめました「そっか・・・やっぱり・・・うんわかったよ 運転手さんにまかせるよ・・・ありがとう」
「このあいだきにろさんが言った掃除機のことを調べて見たのですよ 確かに馬力があるし丈夫そうだし・・・でも
それはこの地球上においてはですよね 本当に強ければきっとロケットにもつかわれたでしょう でもそれはないところをみると
宇宙ではもろいのかもしれません そこでまた考えたのです 強いものはなにかと・・・それは何といっても魔法の放棄です」
「えっ?魔女ばあちゃんの?」「そうですよ 大昔月からこの地球にとんできたのですよ それに今もちゃんと飛んでいるのですよ」
「それはそうだね」きにろも納得したようにうなづきました
「そこでうさ太さんの脱出にはほうきを使おうと思います」運転手の言葉にうさ太は「ほうきで月まで飛んで行くんだね・・・ゆう太も一緒ならおらはこわくないよ」
強く言いました
「これからきにろさんにはほうきの操縦の腕を上げるために練習にはげんでもらいます」「わたしが操縦するんですか・・・」
「そうですよ うさ太さんはできませんからね」
「わたしで大丈夫でしょうか」「大丈夫ですよ きっと魔女ばあちゃんも力をかしてくれるでしょうから」
「そうだよ きにろさん大丈夫だよ 魔女ばあちゃんはいつだってきにろさんを助けてくれるよ」うさ太は革新があるようにきにろをはげましました
運転手はちょっと不思議そうにうさ太を見つめました
「おらはなにをすればいいの?」「うさ太さんはしっかりゆう太さんを育ててください・・・十日後くらいには脱出する予定ですから」
「わっそんなに早いの?」きにろはびっくりしました
うさ太もびっくりして顔で運転手を見つめていました
「きにろさんもうさ太さんも地球育ちのせいか小柄です ゆう太さんがあまり大きくならないうちのほうが負担が少ないうちがいいでしょう
今ではちょっと小さすぎますからね」
みんな言葉がなくなりそれぞれ考えこんでいました
「さあ・・・パンを食べてください」運転手がいいました
でもきにろもうさ太も手が止まったままでした